Story

「血をつなげ。
 努々絶やすことなどあってはならぬ。
 他族と交わり、血を薄めることも避けねばならぬ。
 さすればいつの日にか、我らは比女と同じ、いやそれ以上の力を持った者を得ることができよう」
 
 孤島天ノ音。
 因習に縛られた血族、彼らが待ち望むのはただひと度の奇跡。
 旧家の次代当主として、掟に絡め取られ、定められたままに生きるはずだった立羽。
 運命の歯車が回りだす時。寄せる荒波は、彼女にひとつの決断を求める。

 


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